13
その場を静寂が襲った。
ドサッ
刃を持っていたものが雷に撃たれたのだ。
パニッシュのすぐ横にそいつは倒れた。
「…」
仲間が一人、事故だったといえ、死んだのだ。
仲間の間には動揺が広がる。
「なにをしている。たかだか、雷が落ちただけだろ。
さっさと進めろ」
遠くから見ているボスの苛立った声。
「そういう、簡単に仲間を見捨てる奴はいけすかねえな。」
天からの声…ではなかった。
「!?」
「う、上だ!!木の上に誰かいる!!」
2人の影はもちろんシンとリチャード。
「うはっ。見つかった。」
「あほ、わざと見つけさせたんだろ。」
2人が会話をしている一方、盗賊たちの混乱は広まるばかり。
こうなってしまえば、パニッシュのことはほとんど忘れられていた。
ザシュッ
盗賊の一人が投げた刃がリチャードの腕をかすった。
「って。」
「血のけが多いみなさんだこと。さっさと片付けた方がよさそうだな」
じゃぁいくぜっといって、シンはパニッシュのそばに降り立った。
だれ…?
ぼんやりと見える視線の先は、誰かの手。
手は、土を捕らえていた。
力を与えているかのように、その手は光っているようにも見えた。