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その場を静寂が襲った。

 

ドサッ

 

 

 

刃を持っていたものが雷に撃たれたのだ。

 

 

 

パニッシュのすぐ横にそいつは倒れた。

 

 

「…」

 

仲間が一人、事故だったといえ、死んだのだ。

仲間の間には動揺が広がる。

 

 

「なにをしている。たかだか、雷が落ちただけだろ。

さっさと進めろ」

 

遠くから見ているボスの苛立った声。

 

 

「そういう、簡単に仲間を見捨てる奴はいけすかねえな。」

 

天からの声…ではなかった。

 

 

「!?」

「う、上だ!!木の上に誰かいる!!」

 

 

 

 

2人の影はもちろんシンとリチャード。

 

「うはっ。見つかった。」

「あほ、わざと見つけさせたんだろ。」

 

 

2人が会話をしている一方、盗賊たちの混乱は広まるばかり。

こうなってしまえば、パニッシュのことはほとんど忘れられていた。

 

 

 

ザシュッ

 

 

 

盗賊の一人が投げた刃がリチャードの腕をかすった。

 

 

「って。」

 

「血のけが多いみなさんだこと。さっさと片付けた方がよさそうだな」

 

じゃぁいくぜっといって、シンはパニッシュのそばに降り立った。

 

 

 

 

だれ…?

 

ぼんやりと見える視線の先は、誰かの手。

手は、土を捕らえていた。

力を与えているかのように、その手は光っているようにも見えた。

 

“土よ!盛りあがれっ!!!!”

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