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パカパカッ
パニッシュの姿が見えなくなるまで、メジャーはその後姿を見送っていた。
パニッシュの馬術は
メジャーも驚く、いや、メジャーを越す以上の腕前なので、その点心配はいらない。
だが、そこには、心配や忠義だけではなく、愛しみもあったのかもしれない。
一方、
パニッシュは涙が止まらなかった。
一度やると決めたので、決して引きたくはなかったのは確かである。
けれど、実際一人になるというのは初めてだった。
考えているときは国を救いたい気持ちとちょっとした冒険心も国が離れ、
一人になるにつれて心苦しくなってくる。
パカッパカッ
そして、応援してくれたメジャーに感謝の気持ちもあった。
おそらく、自分がいなくなったあとのことは全て彼が処理してくれるのであろう。
なんとしてでも、ネシリア王国へ行き、援助を求め、無事に帰ってこなければならない。
ネシリア王国はその昔、アヴェルスト王国とともに変換者と戦ったことがある国だ。
変換者への対策も最も先進して行っていると
ガベル達の話をよくパニッシュは耳にしていた。
ネシリア王国に行けばなんとかしてもらえる。
パニッシュはそう思っていた。
この先、自分がどうなるのかなど、全く考えることもなく。