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「ヒヒ−ン!!」

 

「ほっておけ。明日は町を探すんだろ。」

 

リチャードは冷静な判断。

 

 

もしも、盗賊だとしたら、負ける気はしないが、無だな殺生をする気はない。

 

 

揉め事は面倒だ。

 

 

再び目を閉じた。

 

 

 

だが、シンはそうはいかない。

 

 

 

「この雨だ。誰かが森へ入って、盗賊に出会っているのかもしれない。」

 

独り言なのか、リチャードにいったのか…

 

リチャードが目をあけたときには、

 

 

既にいなくなっていたのは、シンらしい。

 

 

 

ドタン!!

 

現場は、シンたちが聞こえていたよりも騒がしかった。

 

馬のレヒフェルトは、大きな音をたて、雨でぬかるんだ土を一生懸命立ちあがろうとしている。

 

 

そして…パニッシュは腕を捕まれ、3人の男に囲まれていた。

まだ、その男達の後ろには10数名の仲間が立っている。

 

「宝石はもう渡したっていったでしょう!?離してよッ!!」

「ああん?それが人にものを頼む態度か?」

 

 

2人はにらみ合っている。

 

 

パニッシュはなんとかして、震えているのがわからないようにする強気でしかなかったが。

 

 

 

 

どうしてこうなったのか…。

 

 

 

レヒフェルトを進めていたら、雨が降り出したのでパニッシュは近くの森の中へ入っていった。

すると、障害物もなにもなかったところで、突然レヒフェルトが転んだのだ。

 

 

 

撃たれたのだ。

 

 

 

パニッシュは放り出され、木に激突した。

「った〜…。」

 

意識のかすかなところで、やり〜!!など歓声があがっているのが聞こえた。

 

 

 

レヒフェルトが泣いている声も。

 

 

 

パニッシュ自身すぐに立ちあがろうと頭ではわかっているのに、体が動かない…。

 

 

すると、腕を突然引っ張られ、耳元でささやかれたのは宝石を出せ、という冷たい言葉。

 

 

その後すぐに、また意識が一瞬なくなった。

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